Typemoon・Fate

【ロード・エルメロイⅡ世の事件簿】 case.冠位決議(下)

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こんばんは、まっさんです

本日は「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 case.冠位決議(下)」の感想を綴ります。
事件簿シリーズも遂に完結です。

※しっかりネタバレを含むため未読の方はご注意下さい

公式あらすじはこちら

冠位決議(下) あらすじ

冠位決議と霊墓アルビオン潜行の場面が交互に移り変わりながら物語が進んでいきます。

シーン:冠位決議

トランベリオ、ユリフィス、バリュエレータの3君主を相手にライネスが立ち向かいます。

彼女の役割はエルメロイⅡ世がハートレスと決着をつけるまでの時間稼ぎ。

真相に辿りついていませんが、やむを得ず秘骸解剖局員殺害にまつわる事件の推理を始めます。
某少年探偵の如くエルメロイⅡ世からの通信を頼りに話を進めますが、見切り発車に加えアルビオン攻略中のⅡ世との通信は途切れ途切れ。

立場も実力も経験値も大きく差がある大物たちを相手に、心労で胃がねじ切れそうになりながらも毅然と立ち振る舞うライネスには思わずハラハラです。
一か八かの駆け引きを交えながらリアルタイムで真相を解き明かしていくと同時に霊墓アルビオンでは…

シーン:霊墓アルビオン

一方、エルメロイⅡ世とグレイはアドラ組と共にアルビオンに潜りハートレスの元へ。
生還者サヴァイバーであるフリューの師の協力を経て、裏ルートである虚無の穴ナル・ピットによるアルビオン深部へショートカットを試みます。

そこで待ち受けるのは迷宮の危険生物やハートレスによる苛烈な妨害。
ルヴィアたち三人がこれを引き受ける。

 

「ここは任せて先にいけ!」という王道の展開!熱い!!

 

 

魔術師としての実力を存分に発揮するルヴィア!
事件簿シリーズの彼女はホントにカッコいい!
こういった魔術師としての側面を堪能できるのは事件簿シリーズの魅力の一つですね。

 

ハートレスまであと少しというところで更なる脅威が…

 

アルビオンの底に潜む三つ首の巨獣

ケルベロスやアバドンと同じ源流、同じ元型を持つアルビオンの主とでもいうべき獣
見れば魂が消し飛ぶほどの規格外。
人間ごときの認識では追いつかない化け物。
神獣に足を踏み入れた怪物。
引用:ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 case.冠位決議(下)p242-243

エルメロイⅡ世をハートレスの元に送り届けるため、グレイはロンゴミニアドを開放します。
それがずっと共にいてくれた友アッドとの別れになることがわかっていたとしても…

 

数多の縁と助力の末、遂にハートレスと対峙します。

シーン:エルメロイⅡとドクター・ハートレス

フェイカーの霊基再臨による神霊イスカンダルの創造。
神霊を魔術師の神として据えることで神代の如き魔術基盤への書き換え。
つまり「今の魔術基盤の破壊」
変わらない運命に絶望したハートレスは世界そのものを変える(壊す)という結論に至ったのです。

ハートレスにまつわる全ての真相を解き明かしたエルメロイⅡ世は神霊イスカンダルに”マスター”として”令呪”を使い陰謀を阻止しました。

5つの事件、いや1つの大きな事件を経て多くを失い変わりましたが、それでもと立ち上がり戦い続けるエルメロイⅡ世と、そんな彼と共にあるグレイの姿で事件簿シリーズは幕を閉じます。

 

特に印象的なところピックアップ

 

さらにネタバレ!未読の方は要注意!

 

 

 

ウェイバーとライダー

 

神霊イスカンダルへと語りかけるウェイバー

 

 

「命が燃え尽きるまで、ボクはあなたに近づいていく」

 

「だってさ。ボクはお前のマスターで…お前の臣下で…お前はボクの王で…」

 

「お前は…ボクの、友達・・なんだから……」

 

「令呪をもって命ずる。退去せよ、ライダー」

引用:ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 case.冠位決議(下)p340-341

 

もう涙腺崩壊…

冠位決議は中巻からラストまで怒涛の展開でワクワクからジーンまで色んな感情で満たしてくれるのですが

 

このシーンはまごうことなくトップオブトップ!
最高の神場面でした
(語彙力DOWN)

 

直前の見開きイラストで死に…

 

続くウェイバーのセリフでさらに死ぬ!

 

隙を生じぬ二段構え!!

 

😇

 

神霊イスカンダルは”ライダー”ではない。
にもかかわらずエルメロイⅡ世の令呪による”ライダー”へ命令を受け入れるんですよね。

さらにこの後にグレイにだけ聞こえた”声”

そのセリフももうね…

座の英霊は召喚の記憶を引き継いでいないはずなのに…

二人の絆を感じずにはいられない

 

この数ページは特にFate/ZEROへのリスペクト、本作執筆に対する覚悟といった三田先生の想いがひしひしと伝わってきました
ウェイバーの物語を紡いでくれたのが三田先生で本当に良かった…

 

アニメ事件簿の最終話でのⅡ世とイスカンダルのやりとりは、きっと今回綴られた二人のシーンとモチーフにして作られたんだなぁと思わずにはいられません。

 

ハートレスとフェイカー

これまで明確な情報が与えられていなかったクロウの正体はドクター・ハートレスでした。
いや、ハートレスの正体がクロウだった、といった方が正しいか。

“クロウが殺されたハートレスに成り代わって暗躍しているのでは”という描写はみられましたが(まんまと思わされていた)、まさか時間遡行する前後の同一人物だとは。

でもよくよく考えると何もおかしな話ではないんですよね。
Fateという作品世界を思い返してみると。

この絡繰りが明かされて真っ先に思い浮かべたのがstay nightにおける衛宮士郎とアーチャーの関係。
異なる時代の自分自身の出会いからFateという物語は始まっています。

またエルメロイⅡ世たちが言及した魔術世界における「魔法」「レイシフト」という時間遡行の可能性。

そしてクロウがいた霊墓アルビオン
魔術師世界におけるとびっきりの神秘であり、世界の裏側に通じるとされる孔。

これらの要素を考えれば時間遡行は起こり得る事象だったんですね。
まだまだ常識にとらわれて読んでいました、未熟なり…

 

そして終盤で印象が一転したハートレスとフェイカーの関係性

Fate作品の中でもトップクラスではないかと思えるほどの良い関係を築いた二人。

主従ではなくパートナーでした。

最後の時

「お互いの旅に意味はあった」と語るフェイカー

「あなたが意味をくれた」と答えるハートレス

 

Fateの大きな魅力の一つである「悲しくも綺麗な別れ」がそこにはありました。

エルメロイⅡ世の前に立ちはだかるラスボス的立ち位置ではありますが、今では事件簿シリーズの“裏の主人公”という表現の方がしっくりくる。

そしてこういった部分も含めてエルメロイⅡ世と同質でありコインの表裏のような関係のキャラクターとして描かれていたのだと思います。

グレイの変化

今回の事件の渦中でグレイが聞いた声…

 

「問おう、貴方が私のマスターか」

 

ついに未来の王アルトリア・ペンドラゴンが第五次聖杯戦争にて召喚されました。

 

Fate/stay night、しいてはFateを象徴するセリフの一つ
彼女の復活を目的に作られたグレイ、そして第五次が開催されたこの時期ということを考えれば触れられないわけがないのですが、わかっていても実際に読むと鳥肌ものですね。

 

肉体が急激に変化、英霊化?アルトリア化?が進行
聖杯戦争が終わればセイバーは退去するが、果たしで彼女はどうなるのか…
第五次聖杯戦争後の物語であると思われる「冒険シリーズ」の気になるポイントの一つですね。

そしてグレイ・アッドが“友達として会話”するシーンも一押しです。

 

冠位決議を振り返ってみると、グレイだけでなく2世、ハートレス、ライネスなど「友達関係」というのが小さなテーマとして仕込まれていたのだと私は思います。

 

解説:奈須きのこ

事件簿シリーズ〆の解説は奈須きのこ先生!

「事件簿」がどのように始まったのか
作品の立ち位置や性質
他のスピンオフFateとの違い
奈須 vs 三田の熾烈な質疑応答
奈須先生の想い

が語られます。

さすが原作者の解説、これを読むことで作品への理解や面白さが深まりますね。

事件簿シリーズは巻末の解説・あとがきを読むのも楽しみの一つでありました。
TYPE-MOON作家勢による解説・裏話本が欲しいなぁ~

最後に奈須先生による「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿とは?」の一部をここに記します。

時計塔の空気感・生活感に命を与え「魔術世界」を広げた

『TYPE-MOON世界のガイド本』

として機能する匠の一冊

参照:ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 case.冠位決議(下)p394

冠位決議(下)の型月ネタとか

【フェムの船宴カーサ
死徒二十七祖の一人、ヴァン=フェムが運営しているカジノ船。
フラットと知り合いのようで、セットで名前を見かけるイメージがある。
hollow/ataraxiaやcharacter materialでもチラリと名前が出てきている。

【一時期有名だった魔術使いの殺し屋】
独特な魔術を使う東洋人で、その弾丸にやられると魔術回路も魔術刻印もズタズタになる、とのこと。
つまりFate/ZEROの主役で衛宮士郎の養父、起源弾を使う衛宮切嗣である。
フリューと相棒だった時期があった模様。
この話を聞いたエルメロイⅡ世はトラウマを刺激され沈黙…

【心の贅肉】
Fate/stay nightでの遠坂凛の発言より。
「余計なこと、無駄なこと」みたいなニュアンス。

間違っても「太ってるってことなんだな」なんて返してはいけない…

 

【時間遡行】
ハートレスの陰謀のための研究対象の一つ。
魔法の領域であり、魔術では辿り着けないが、神秘として存在しないわけではない。

エルメロイⅡ世「五つの魔法にはそうした作用を持つものも存在…」(p322)

これは蒼崎青子の第五魔法・青のこと。
なお魔法・青による時間旅行は副産物であり本質ではないらしい。
詳細はまほよ続編に期待!

もう一つの時間遡行として提示されたのがレイシフト
FGOでおなじみ「過去を観測して行う逆召喚による時間遡行」です。

これを安定して行うには

・アトラス院の全面的協力
・ロードを輩出する名門の秘術
・新たな施設や実験に必要な天文学的な費用

が最低条件。

それこそ聖杯戦争に勝利しなければならず、そこまでしても時間遡行可能な人間の資質は限られる。

そうハートレスは結論づけました。

まぁこの世界の聖杯は汚染されており、マリスビリーも使い物にならないと判断しています。
アヴェンジャー召喚でstay night、ルーラー召喚でApocryphaの物語へと分岐することから、FGOの世界を決定づけたは「第三次聖杯戦争での正式な7騎の召喚」だったのでしょうかね?

【スヴィンの嗅覚】
獣性魔術による鋭敏な嗅覚。
どうやら香りそのものを嗅いでいるわけではないというフラットと橙子さん。

因果のもつれそのものを嗅ぎ、香りというかたちで知覚しているのだとか。

なにやら今後の展開にも鍵となってきそうな気がする(直感E-)

冠位決議(下) おわりに

 

まずはFate/ZERO以来見たくてやまなかったウェイバーのその後を、「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿」という素晴らしい物語としてを生み出してくれた三田誠先生に感謝を。

最終話「冠位決議」は1~4話までの全て、そしてFate世界の要素をふんだんに盛り込んだ、物語の総まとめにふさわしい内容になっている。

「イスカンダルとの再会」というウェイバーの目的の一区切りとなる2004年2月の第五次聖杯戦争。
そこでウェイバーはどのような答えを出し、これからどのような道に進んでいくのか。
1巻あとがきで三田先生が語られた「彼のその後を書かねば」という思いの一つの答えがここに示されました。

そしてエルメロイⅡ世の物語は「事件簿」から「冒険」へ

2020年冬発売予定の新シリーズ「ロード・エルメロイⅡ世の冒険 神を喰らった男」にも期待です。
これからはリアルタイムで追いかけられるのも嬉しいところです♪

その前にマテリアル読むぞー!

 

今日も最後まで読んで頂きましてありがとうございました

本記事はロード・エルメロイⅡ世の事件簿 case.冠位決議(下)©三田誠・TYPE-MOONの引用を含みます。

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