本日は「Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ」の小説第2巻の感想です。
※ネタバレあり、ご注意ください。
第2巻「Best Friend」
第2巻は極東の魔術の名門の一人娘・玲瓏館美沙夜を中心としたフラグメンツ。
1991年聖杯戦争のマスターの一人であり玲瓏館家の当主である美沙夜の父
父が召喚したキャスター「ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス」
同盟相手のサーヴァントであるライダー「オジマンディアス」
敵マスターの娘である愛歌
窮地に救いの手を差し伸べてくれた騎士「アーサー・ペンドラゴン」
そして1999年聖杯戦争でマスターとして召喚したランサー「クー・フーリン」
1991年と1999年の聖杯戦争での玲瓏館美沙夜と取り巻く人物たちとのやり取りから、彼女のキャラクターや運命の一端が描かれます。
玲瓏館美沙夜について
1991年の聖杯戦争のときは小学生と幼く、マスターの一人娘という部外者(関係者?)という立ち位置。
幼いながらも天才、玲瓏館という魔術家系にとっての期待の星です。
その才能は魔術師としてだけでなく、王の中の王であるファラオ・オジマンディアスに王者の気風を持つ者として認められるほど。
8年後の1999年には高校生になり女王そのものの風格を身に付けます。
そしてランサーを従えるマスターとなり、今度は当事者として聖杯戦争に参加すること。
こちらの美沙夜は秋葉や鮮花、凛のプロトタイプのような印象です。
Prototypeという物語の中では
セイバーという白馬の王子が現れた沙条姉妹に対して
白馬の王子様が現れることのない孤高の女王
という対比で描かれたキャラクターでもあります。
そして忘れてはいけないのが中原先生のイラスト。
大人美沙夜の美しいこと
巻頭設定に大人美沙夜がいないのが悔やまれるっ…
これはmaterialとかに手を出すしかないな。
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美沙夜と父
2巻で印象的だったのはこの親子のすれ違いですね。
聖杯を得て大願を成すために父に呪いをかけられたと思っている美沙夜。
玲瓏館当主として親として、死にかけでなお黒幕にかけられた美沙夜の呪いを抑制しようとした父。
型月世界のTHE魔術師って感じのこのお父さん。
美沙夜を優秀な後継として守るというスタンスが大きかったとは思います。
けど美沙夜が狙われているとわかった時の狼狽ぶりや最後の行動をみてると、どうしても「父」として子を守ろうとしていたのではと思えてなりません。
ええ、父親補正が入っています。
異論は認めます。
お父さんは一生懸命きみを守ろうとしてたんだよ!
とモヤモヤしながら読んでました。
型月の魔術師って「血筋は研鑽した魔術を残すための魔術回路を継ぐ器としか考えてない人でなし」ってのがベースだと思ってるんですけど、
思い返してみると衛宮切嗣や獅子劫界離、オルロック・シザームンドのように家族(子)に情を持っている人ってけっこういるのよね。
ここらが例外なのかもしれませんが。
とりあえず、美沙夜が真実と父の気持ちに気づく、そんな世界待ってます。
ランサーから見た美沙夜
ケルトの大英雄クー・フーリンをして支配者、女王と評価される美沙夜。
クー・フーリン曰く
スカサハの如くしてメイヴが如き
Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ第2巻p.261
気質はスカサハ、表情や仕草はメイヴに似ているとのこと。
スカサハは影の国の女王にしてクー・フーリンの師匠。
メイヴはコノートの女王にしてクー・フーリンを殺した女。
現代の一魔術師がオジマンディアスやクー・フーリンにこれだけの評価を受けるってとんでもない逸材だし異常ですよね。
同じ物語に根源の女王・愛歌がいるため霞んでしまいますが、Fateシリーズ全体でもトップクラスの魔術師だと思われます。
「Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ」小説第2巻 まとめ
小説「Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ」第2巻の感想でした。
とにもかくにも美沙夜な1冊です。
読んだ結果、印象もバッチリ、見た目も中身も好きなキャラクターですね。
Prototypeはこれ以上展開はないと(いちおう)公言されているため、これ以上深堀りされないのが悲しい…
出番はちびちゅきくらいか?
物語はまだまだ断片のまま。
穴だらけ。
3巻はバーサーカーコンビのお話、楽しみです✨
Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ©TYPE-MOON 桜井光 中原
